統合失調症

統合失調症とは

統合失調症は、考えや感じ方、現実とのつながりが弱くなることで、生活に支障が生じる病気です。誰かに悪口を言われているように感じたり、周囲が自分を監視していると強く信じてしまうなどの妄想や、実際には聞こえない声が聞こえる幻聴がみられることがあります。また、意欲が低下して好きだったことに取り組めなくなったり、感情表現が乏しくなるなど、気持ちや行動の面で変化が生じることもあります。

症状はゆっくりと現れることもあれば、急に強まることもあり、病気が進行していることにご本人が気づきにくい場合があります。ストレスや生活リズムの乱れ、体調の変化などが症状に影響することがあり、早期の相談と適切な治療が重要です。

統合失調症という病名から、「治らないのでは」と不安に感じる方が少なくありませんが、治療により症状が安定し、仕事や家庭生活を続けている方も多くいます。長期的なサポートが役立つ病気であり、焦らず治療を続けることで安定した生活が期待できます。

統合失調症の症状

精神面の症状

幻聴（正体不明の声が聞こえる）
被害妄想（誰かに見張られている、悪口を言われているなど）
思考の混乱、会話がかみ合わない
意欲の低下、感情表現が乏しくなる

肉体面の症状

睡眠障害、食欲の低下
自発性の低下による身だしなみの乱れ

統合失調症の治療方法

薬物療法

統合失調症の治療では抗精神病薬が中心となります。症状の改善や再発予防に役立つことがあり、症状や生活状況を踏まえて慎重に検討します。
精神療法・心理療法

診察では、症状による負担や生活上の困りごとを整理し、ストレスとの向き合い方を一緒に確認します。支持的精神療法を中心に、安心して話せる環境の中で気持ちの整理や生活の調整を支援します。
生活と環境の工夫

生活リズムを整えることは症状の安定に役立ちます。睡眠や休息を確保し、無理のない範囲で日常生活を調整することで心身に余裕が生まれやすくなります。また、負担の大きい環境を見直すことで再発のリスクを減らすことができます。

統合失調症のよくあるご質問

急に発症するのですか？

多くは「前駆期」と呼ばれる、なんとなく元気がない・ひきこもりがち・感情が平坦になるなどの時期を経て徐々に進行します。早期発見・早期治療が非常に重要です。

治る病気ですか？

適切な治療により症状を安定させることは可能です。再発を防ぎながら、本人のペースで社会復帰や自立を目指します。

幻聴や妄想は自分では気づかないのですか？

自分の体験が現実とかけ離れていることに気づけないことが多く、周囲が異変に気づいてサポートすることが大切です。

診療所での治療には限界がありますか？

症状が重度の場合や、日常生活に著しい支障がある場合には、入院治療や多職種による包括的な支援が必要になることがあります。当院では早期発見・服薬継続・家族支援を中心とした外来治療を行いますが、必要に応じて専門病院との連携も行っています。