パニック症 (パニック障害)とは
パニック症は、突然強い不安や恐怖に襲われる「パニック発作」が繰り返し起こる病気です。パニック発作とは急な恐怖、不安に襲われ、過呼吸、めまい、動悸、発汗といった症状が現れる発作のことで、パニック症以外の精神疾患でもみられます。パニック発作自体は短時間で治まり、身体的な検査をしても異常を認めませんが、精神的には非常に苦痛を伴うため、救急搬送されることもあります。米国精神医学会が定めるDSM-5-TRでは、発作は予期せず起こり、発作後1か月以上にわたって「また発作が起こるのでは」と強く心配し続ける状態や、それに伴う生活の制限(外出を避ける、乗り物に乗れない等)が診断の要点です。
パニック症 (パニック障害)の症状
精神面の症状
- 次の発作への強い不安や恐怖(予期不安)
- 発作が起こりそうな場所への恐怖や回避(広場恐怖)を伴うこともある
肉体面の症状
- 激しい動悸、息苦しさ
- 胸の圧迫感、手足の震え
- めまい、吐き気
パニック症 (パニック障害)の治療方法
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薬物療法
パニック発作の強い不安に対して、抗不安薬が効果を示すことがありますが、依存のリスクがあるため必要最小限の使用にとどめます。
パニック症全体の改善にはSSRIなどの抗うつ薬が有効とされ、当院では効果と副作用のバランスを見ながら慎重に調整します。 -
精神療法・心理療法
診察では、認知行動療法(CBT)の考え方を取り入れ、発作への理解と対処法を一緒に整理します。支持的精神療法を中心に、安心して話せる環境で不安や恐怖の負担を軽減し、無理のない範囲で実践できる対処方法を提案します。
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生活と環境の工夫
パニック症では、日常生活の整え方が症状の改善に大きく影響します。睡眠リズムを整え、カフェインやアルコールの摂取を見直すことは、不安や発作の頻度を減らす上で重要です。また、適度な運動やリラックスできる時間を確保することで、心身の緊張が和らぎやすくなります。
パニック症 (パニック障害)のよくあるご質問
パニック発作は心臓発作や呼吸器の病気とどう違うの?
パニック発作は突然の動悸、息苦しさ、胸の圧迫感などを伴いますが、多くの場合、身体的な異常は見られません。検査で心臓や肺の病気が否定され、発作が繰り返される場合はパニック症が疑われます。不安が強まると自律神経が過剰に反応して症状が出る仕組みです。
「気のせい」や「ストレスのせい」だと言われました。本当に病気なんですか?
はい、パニック症はれっきとした精神疾患のひとつです。ご本人の意思でコントロールできるものではありません。「気のせい」などと軽視せず、きちんとした治療が必要です。
発作で本当に倒れてしまうことはありますか?
パニック発作は強い不安を伴いますが、身体の危険につながらないことが多く、一定時間で治まることが特徴です。
自分で治せますか?
我慢したり避け続けたりすると不安が強まることがあります。相談しながら進めることで改善が期待できます。

