うつ病

うつ病とは

うつ病は、気分の落ち込みや意欲の低下が続き、これまで普通にできていたことがつらく感じられるようになり、日常生活に支障が出る病気です。単なる一時的な落ち込みや「気持ちの問題」ではなく、ストレスや生活環境、体調の変化、過去の経験、脳の働き方など複数の要因が関わると考えられています。

十分な休息を取っても回復しにくく、楽しみや喜びを感じにくくなることが特徴です。また、症状が数週間以上続く場合には治療が必要になります。

治療により多くの方が回復を実感できますが、良くなるまでには時間がかかることがあり、焦らず取り組むことが大切です。再発することもありますが、治療や生活リズムの調整、ストレスへの対処法を身につけることで再発のリスクを減らすことができます。つらい状態が続く場合は、早めに相談することで悪化や長期化を防ぎやすくなります。

診断では、米国精神医学会のDSM-5-TRに基づき、抑うつ気分や興味の喪失、睡眠・食欲の変化、疲労感、集中力低下、罪責感、動きの変化、死についての考えなどの症状が複数みられるかどうかを総合的に評価します。これらの症状が一定期間続き、日常生活に支障が出ている場合に「うつ病」と診断されることがあります。

治療により多くの方が回復を実感できますが、良くなるまでには時間がかかることがあり、焦らず取り組むことが大切です。再発することもありますが、治療や生活リズムの調整、ストレスへの対処法を身につけることで再発のリスクを減らすことができます。つらい状態が続く場合は、早めに相談することで悪化や長期化を防ぎやすくなります。

うつ病の症状

精神面の症状

気分が晴れず重たい
何をしても楽しく感じられない
自分を責める・自己否定
集中力の低下
死にたい気持ちになる

肉体面の症状

不眠、過眠
食欲不振や過食
倦怠感、頭痛、胃腸症状
動悸、息苦しさ

うつ病の治療方法

薬物療法

抗うつ薬（SSRI、SNRI、NaSSAなど）は、うつ病治療の中心的な選択肢とされています。ただし、すべての方に必要なわけではなく、症状の程度・生活への影響・副作用のリスクを総合的に判断して開始します。
当院では、効果と安全性のバランスを重視し、最小限の量から慎重に調整します。急激な減薬・断薬は再発や離脱症状の原因となるため、相談しながら進めます。
精神療法・心理療法

当院では、認知行動療法（CBT）の考え方を取り入れた診察を行い、症状への理解と対処を支援します。
支持的精神療法を中心とし、安心して話せる環境の中で気持ちの整理や負担の軽減、生活面での工夫を一緒に考えていきます。
無理のない範囲で実践できる対処方法を提案し、再発予防にもつなげていきます。
生活と環境の工夫

生活リズムの乱れは症状の悪化につながることがあります。そのため、睡眠習慣の見直しや適度な運動、バランスの良い食事など、日常生活の整え方について一緒に確認していきます。また、育児や仕事などで負担が大きい場合には、無理のない範囲での調整方法を検討し、ストレスへの対処法についても丁寧に助言します。こうした生活面の工夫は、治療の効果を高め、回復をサポートする重要な要素となります。